こんにちは。所長の山本誉です。
このブログでも、「新型コロナ」の感染拡大防止のことばかり冒頭に書いていましたが、
もう少し、明るい書き出しがしたいものだと思いました。
それは、「アフターコロナ」になったら何をするのかを、「企業生存」という視点ではなく、
「新たな価値創造」という視点で、今から壮大な夢を描いておく、ということです。
現状、苦しい経営・家計を強いられている経営者、サラリーマンの方も多いと思いますが、
「大きな夢」、違った言い方をすると、「成し遂げたいものへの執念」がある限り、
人は強く生きられると思うのです。
この場合、「夢」とか「ビジョン」という「ポジティブ」な明るい言葉より、
「悲願」とか「執念」とか「コロナ倍返し」いうような、「ネガティブ」と捉えられそうな言葉を
当面生き残るための方便の言葉として使う方が、より強力な、「継続性」、「持続性」を保って、
しぶとく生きていけると思います。
(私も目標達成に対しては「執念深い」性格で、それを善用して、今日まで生きてきました(笑)。)
皆さん、アフターコロナはもうすぐです。それに備えて、しぶとく、執念深く、生きましょう!
さて、今回のブログは、事業承継において必要となる「経営と資金繰り」の知識のうち、
「ファーストペイの原則」と「資金化のプロセス」について、考察していきたいと思います。
7.ファースト・ペイの原則
「ファースト・ペイの原則」とは、商取引などの営業活動を始める場合に、
まず「支払が先行する」という原則です。
小売業であれば、先に、販売用の商品代金を支払って商品を仕入れ、
その後、商品を販売することによって販売代金を得ます。
製造業であれば、原材料や加工賃などの製造代金を先に払って製品を完成させたのちに、
その製品を販売して販売代金を得えます。
このように、前金でもらうなど特殊な場合を除き、ほとんどの商取引の場合には支払が先行します。
これが、「ファースト・ペイの原則」です。
このファースト・ペイの原則が意味することは、先行する支払代金をまず確保しないと、
商取引ができないということであり、その分の手元資金が必要になることを意味します。
商取引が継続的に行われており、過去の売上代金から次の商取引の支払代金が、
順次手当できている場合は問題ありませんが、新たに大きな数量の仕入代金が発生する場合や、
仕入支払から売上代金回収までの期間が長い場合には、手元資金が不足する可能性があります。
そのためにも、取引の状況に応じた手元資金の確保(=運転資金の確保)が必要となるのです。
8.資金化のプロセス
先のファースト・ペイの原則に関連しますが、企業が先行して支払った代金を、
商取引(営業活動)を通じて、売上として回収するまでには、以下のようなプロセスを
経なければ資金化できません。
仕入 ⇒ (製造) ⇒ 販売 ⇒ 売掛金 ⇒ 売掛金回収
また、上記プロセスにおいて、仕入・製造した商・製品のうち、売れ残ったものは、「在庫」となり、
売れるまでの間、代金回収がなされない、つまり、仕入・製造代金が「そのまま眠ってしまう」
ということになります。
さらに、仕入、製造、販売、売掛金、売掛金回収の各段階で、トラブルが起きると、
最終的に販売代金は回収されないということになります。
この資金化の各プロセス管理がしっかりできていない企業は、手元資金の不足という状況を、
招きやすくなるのです。
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